kaito

ナイツロード関連の創作をしています。基本不定期更新です。

ある研究者の手記

◼️月12日

調達班によって複数個の被験体が届けられた。この研究には多数の実験体が必要だ。これでもまだ足りないかもしれない。

 

◼️月13日

被験体Aに魔獣から抽出した細胞を投与。その直後、被験体Aは肉体が拒絶反応を起こし絶命する。肉体が細胞による強化に耐えられなかったようだ。

 

◼️月18日

被験体Bに肉体を強化する薬品を投与した後、細胞の投与を試みる。肉体の変異には成功したが、自我を失い暴走。やむを得ず処分する。

 

◼️月30日

あれから何体もの被験体に細胞投与を行ったが、いずれも拒絶反応を起こすか、変異後に自我が崩壊、あるいは死亡する。一体何が足りないのだろうか。

 

◼️月29日

ついに変異後も自我を保った被験体を作り出すことに成功した。以降、この被験体を「試作体1号」と名付ける。

 

◼️月7日

試作体1号を元に、複数の試作体を作り出した。成功した個体における共通点として、肉体の変異に耐えられる強い意思を持つという点が考えられる。

 

◼️月27日

これまでの試作体の研究を駆使し、ついに傑作とも言える『完成体』が誕生した。いよいよ私の研究も大詰めに入るだろう。

 

◼️月9日

完成体を貸し出した「贋」の派閥から試験運用の結果が出た。兵器として非常に有用だとの評価だ。この研究が更に評価されれば、私もこの派閥で上を目指せるかもしれない。

 

◼️月20日

完成体をベースとし、発展系の完成体No.IIを開発。この個体が高い評価を受ければ、昇進も夢ではないはずだ。

 

◼️月21日

完成体No.IIが脱走した。何という事だ。他の実験体に比べ改造前の記憶が多く残っていたのがいけなかったのだろう。このままでは私の立場も危うい。

 

◼️月◼️日

遂にナイツロードの連中にこの研究所が目を付けられた。おそらく乗り込んで来るのも時間の問題だろう。だが、ここで終わる訳にはいかない。この手記を書いている今、私は完成体から抽出した細胞を移植した。一か八かの賭けだがもはやこれしか手はない。この私の優れた頭脳ならば細胞の拒絶反応にも耐えられる はず なん 

    だ

     わ タ シは

        ま ダ オ ワ

    る わ ケ

         ニ わ

 

 

 

(これ以降のページには何も記されていない)

ある死の派閥の研究所より押収した手記より引用