異暦⬛︎⬛︎年⬛︎⬛︎月⬛︎⬛︎日 殖の派閥本拠地
「今回の侵略は大成功だったな!」
「ああ、あの星の連中どもすっかり騙されてやがってよ!笑いを抑えるのも必死だったぜ!」
「ところでヤンドロク、あの星の奴ら何匹殺したんだ?」
「俺は200匹ぐれえだな、奴ら平和ボケしてやがって大したことなかったぜ!」
「オレは300匹だ!親の目の前でガキ共をブッ殺してやったよ!」
「オイオイ、いくら何でもシュミ悪いぜバリュマ!」
「お前にだけは言われたかねえな!」
「そうだ、お前あの耀星団が半壊したって話知ってるか?」
「もちろん知ってるぜ!散々偉そうにしてやがった癖にザマぁねえな!」
「全くだ!しかも鉄の人形を操る1人の人間にやられたって話だぜ!笑っちまうよな!」
「修行も忘れてダラけてたんじゃねえか?こりゃあのバカ共もとうとう降格──」
「おい」
廊下に冷たい声が響く。それは談笑をしていた2体のものではなかった。
「バ…バルヴォレス…何だよ急に…」
バルヴォレスと呼ばれた異形が2体に近づく。
「貴様ら、俺達耀星団を侮辱する気か?」
「ななな何言ってんだ!?そんな訳…」
次の瞬間、ヤンドロクの顔面にバルヴォレスの拳が減り込んだ。
「げべぁ!!」
拳を喰らったヤンドロクは吹っ飛び、廊下の突き当たりに叩きつけられる。
「ま、待ってくれ!オレはアイツの話を聞いてただけで…ヒィッ!?」
バルヴォレスはバリュマの首を掴み、そのまま持ち上げる。
「貴様らのような下衆が耀星団を語るな」
「わ、分かった!分かったから助け…」
「…フン」
バルヴォレスが手を離すと、バリュマの身体は床に崩れ落ちた。彼はそのまま踵を返し、歩き去っていった。
『我等耀星団がこれほどの損害を被るとは…あの人間…一体何者だ…?』
『この俺も半身を吹き飛ばされ死の淵に瀕した…奴の眼は…憎悪そのものだった…』
許さん。バルヴォレスは拳を固く握りしめる。
『白い鉄人形を操る人間め…!次に合間見えた時こそその五体引き裂いてくれる…!』
fin.